変な学術研究 1 (1) (ハヤカワ文庫 NF 320)/エドゥアール・ロネ
ある日私が、けたたましい目覚まし時計の音で夢の世界からの強制的に
うつつの世界へと呼び戻され、重い足取りでリビングにくだり、フロアーに胡坐をかいて、しばしけだるい気分に沈んでいると、目の前の木のローテーブルにそれはあった。
『変な学術研究Ⅰ』
目次には、
「ペンギンは空を見上げて転ぶのか」
「毛深くなくてよかった」
「叫ぶ冷蔵庫」
「キリンはくさい」
「ブラジャーの科学」
など、興味深いタイトルの数々!
それからその本を手に自室にこもり、猛然と読み進めた。
特に興味引かれたのは、「失業感染症」。
スウェーデンの研究者が失業者の調査を行った結果
失業は「感染する」のだそうだ!
今度から失業者には近づかないようにしようと思ったが、
その時点で私自身がすでに失業者であった。
むしろうつさないように気をつけねばなるまい!
それと、「左利きは短命」というのも非常に興味深い。
左利きの人は「災害(sinister)」に逢いやすいというのだ。
「災害(sinister)」という言葉の由来となったラテン語「sinister」が「左」という意味というから、その不気味な
符合に驚く。
私は左利きのほうがかっこいいのではないかという理由から右利きから左利きに矯正しようとしていた時期もあったが、自らの命を縮めようとしていたことになる。
あぶない、あぶない。
内容が面白いことはもちろんだが、何より、筆者エドゥアール・ロネ氏の語り口がウィットとユーモアに富んでいて面白い。笑える。
読めば必ず話の種になる思わずにやりとほくそ笑む。
ぜひご一読あれ!
それが読み終わったら、続編『変な学術研究Ⅱ』もどうぞ。
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