現在、ビタミンの量をあらわす単位として、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、IU(アイユー)の3つが使われています。
1gの1000分の1がmgです。(1g=1000mg)
mgはビタミンB1、B2、B6、C、E、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、など多くのビタミンで使われます。
mgの1/1000がμg(1mg=1000μg)、つまり1gの100万分の1がμgです。(1g=1000mg=1000000μg)
ビタミンB12、ビオチン、ビタミンKなど、量が少なくてよいものはこの単位を使います。
IUは、インターナショナル・ユニットの略で「国際単位」という意味です。
主に脂溶性のビタミンの単位に使われます。
IUは、ビタミンAの場合は1IU=0.3μg、ビタミンDの場合は1IU=0.025μgと、ビタミンによって、基準が異なるという不思議な性質を持っています。
水溶性ビタミンの場合、過剰摂取の分は尿となって体外に排出されるので、これだけ摂ればオーケーという量が計れます。
それ以上摂取しても体外に排出されるので、無意味なのです。
一方、脂溶性ビタミンの場合、過剰摂取しても体内に蓄積するだけで体外に排出されないうえ、その吸収率により、効果がまちまちです。
ここまでという量が決められません。
だから、同じ脂溶性のビタミンと比べ、同程度の効果が得られる量はここまで、というふうな計量の仕方がされます。
そのときに基準となる効果が1IUという単位です。
ビタミンAの場合は1IUの効果を得るのに0.3μg、ビタミンDの場合は0.025μgとなります。
また、ビタミンAでは、ときどき1μgREという単位が見られますが、これも脂溶性ビタミンの吸収率の違いによる特殊な単位です。
例えば、ビタミンAは、大きく分けて動物性食品に多く含まれるレチノールと、植物性食品に多く含まれるβ-カロテンがあります。
この2つを身体への吸収率で比べてみると、レチノールは約90%、β-カロテンは約10~60%で、吸収率に大きな差があります。
(*β-カロテンは、食品の調理方法によって、吸収率がかなり違ってきます。)
β-カロテンは、小腸から吸収されるときに、ビタミンAに変換されて、初めてその働きをします。
一般的に、緑黄色野菜を食べて、それに含まれるβ-カロテンが吸収されるのは、含有量の1/6ほどです。
また、β-カロテンは、ビタミンAに変換されるときもロスがあり、約1/2ほどしか変換されません。
つまり、食品に含まれているβ-カロテンは、1/6×1/2=1/12しか、ビタミンAとして利用できないわけです。
実際に、食事で摂取できるβ-カロテン(ビタミンA)の量を、レチノールと比べると、
レチノール1に対してβ-カロテン12
▼
1μgのレチノール=12μgのβ-カロテン
となり、表記上は
1μgRE=1μgレチノール=12μgβ-カロテン
となります。
(REはレチノール当量と呼ばれています。)
同じビタミンの中でも、吸収率の違いによって、基準となる量が異なっているのです。
参考:
●「ビタミン | 栄養素116」ビタミンAの単位
■http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa262170.html
■http://homepage2.nifty.com/osiete/seito136.htm
人気度: 2%