アミノ酸って何？

amino

アミノ酸は、タンパク質を作っている最小の成分です。

植物も動物も、地球上のあらゆる生命はアミノ酸が作り出すタンパク質から出来ています。

アミノ酸は全ての生命の素なのです。

そのアミノ酸は、現在確認されているだけで、約500種類あります。

そのうち私たちの体の約20％を構成するタンパク質を作るアミノ酸は約20種類。

20種類のアミノ酸の組み合わせによって、10万もの種類のタンパク質が生み出されています。

20種類のアミノ酸のうち、特に９種類は、人の体の中で作ることができないため、必須アミノ酸と言われています。

必須のというのは、必ず食べ物から摂る必要があるという意味です。

必須アミノ酸はすべてそろって初めて体を作る栄養素となります。

ひとつでも欠けると残りは意味がなくなってしまいます。

必須アミノ酸以外は、体内で作ることができるため、非必須アミノ酸と言われています。

非必須アミノ酸という呼称は誤解を与えやすいのですが、私たちの生命活動にとってむしろ必須であるからこそ、外部から摂りこまなくても体内での合成能力が進化の過程で備わったものと考えられます。

また、アミノ酸の中には、タンパク質を構成しないアミノ酸も存在し機能していて,遊離アミノ酸と呼ばれます。

遊離アミノ酸も私たちの生体を維持するために、きわめて重要な役割を担っています。

【必須アミノ酸】

種類	主な働き
バリン	成長を促進し、血液中の窒素のバランスを整える。分岐鎖アミノ酸のひとつ
ロイシン	免疫力を高め、肝機能をアップさせる。筋肉を強くする。分岐鎖アミノ酸のひとつ
イソロイシン	成長を促進し、神経機能を高める。肝機能を高める。分岐鎖アミノ酸のひとつ。
スレオニン	成長を促進する。脂肪が肝臓にたまるのを防ぐ。
メチオニン	ヒスタミンの血中濃度を下げ、かゆみや痛みを抑える。
フェニルアラニン	神経伝達物質の材料となる。血圧を下げる。
トリプトファン	精神を安定させ、不眠やうつを防ぐ。
リジン	成長を促進する。抵抗力を上げ、新陳代謝を活発にする。

【非必須アミノ酸】

種類	主な働き
グリシン	抗菌作用、酸化防止作用がある。コラーゲンの材料になる。
アラニン	肝臓のエネルギー源。アルコールの代謝を促す。
セリン	リン脂質やグリセリン酸などを作る。
システイン	黒色のメラニン色素が作られるのを防ぐ。
グルタミン	胃腸などを正しく動かす。
チロシン	神経伝達ホルモンの材料になる。
プロリン	肌を作るコラーゲンの材料になる。体内で素早くエネルギー源に変わる。
アスパラギン	アスパラギン酸とともに、エネルギー産出に関わる。
アスパラギン酸	アンモニアを体外に排出する。エネルギーを産出する。
グルタミン酸	神経伝達作用に関係し、脳の働きを活発にする。
アルギニン	成長ホルモンを合成し、外傷が治るのを促進する。
ヒスチジン	子供にとっては、必須アミノ酸。成長を促進する。神経伝達物質として働く。ヒスタミンを産出する。