人が生まれて初めて口にする母乳。
母乳には糖質が含まれています。
糖質は、人間が初めて接する栄養素と言えます。
糖質は、炭水化物の一種で、炭素や水素、酸素が結合してできた栄養素です。
糖類単体のものと、複数の糖類が結合してできたものとがあり、単体のものは単糖類、結合したものは二糖類、多糖類と呼ばれます。
単糖類には、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、二糖類には、ショ糖や乳糖、多糖類にはデンプンなどがあります。
結合の数により、オリゴ糖のような、少糖類に分類されるものもあります。
糖類と言えば、甘いというイメージですが、糖質の結合が多くなるほど、別の物質になっていくため、甘さはなくなっていきます。
ご飯を噛んでいるうちに甘くなるのは、多糖類のデンプンが分解され、二糖類の麦芽糖になるからです。
糖質のほとんどは、体内でブドウ糖にまで分解・吸収され、エネルギーとして使われます。
このとき生まれるエネルギー量は、1gあたり4kcal。
1gあたり9kcalを生み出す資質に比べると少ないものの、エネルギー化するスピードは糖質のほうが上です。
特に単糖類はスピーディです。
糖質を体内でエネルギーとして使うためには、ブドウ糖にまで分解する必要がありますから、結合が少ない単糖類はすぐに分解されエネルギーに変わるのです。
ケーキなどに含まれる単糖類は吸収されやすいので、血液中の糖質の量が短時間で急激に増えます。
すると、余ってしまった糖質は、すい臓から分泌されるホルモン、インスリンによって肝臓や皮下脂肪に運ばれていきます。
これがたまると肥満と呼ばれる状態になります。
一方、ご飯などに含まれる多糖類は、分解に時間がかかるため、血液中の糖質の量も緩やかに増えます。
長い時間をかけて消化する間に糖分が体内で使われることで、血液中の糖質が余りにくくなります。
血糖値の上がり具合を数値化したものが、糖尿病の治療などでも利用されるGI値です。
糖質は摂り過ぎると肥満の原因となりますが、不足すると、脳の働きを鈍くします。
糖質は、脳や腎臓、神経系によって唯一のエネルギー源です。
脳はブドウ糖を蓄えることができないため、不足すると、肝臓に蓄えられた糖質や脂肪、筋肉などの筋組織を分解することになります。
糖質はこの他にも、核酸や糖タンパク質の形で体を作るための材料としても働きます。
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