「0.5秒の謎」をご存知だろうか?
これは、例えば、自分がペンを持とうと思った0.5秒前にはペンを持とうと思う脳活動(「準備電位」の発生)が始まっているというもの。
つまり、「準備電位の発生」→「考える」→「行動」
自分がペンを持とうと思った時にはもう体はペンを持つ方向に動いているので、ペンを持つということは思う前に決定されている。これは、脳の実験ですでに分かっていて、一体自分の「自由意志」はどこにあるのかということが問題になっているのである。
これに対して、アメリカの神経外科医ベンジャミン・リベットは、「やめることはできるんじゃない?」と指摘。ペンを持とうと思って、やっぱやめて持たない。
持たなかったときには、「準備電位」は発生しないとリベットは言っている。
だから、人間の自由意志は、何かをしないことにこそあるのだと、主張するのである。
「した後悔よりもしなかった後悔のほうが大きい」とよく言われるけれど、実はしなかったことのほうが自由意志に基づいているぶん、偉いのではないか、という解釈もできるのである。
やろうとしたことをやらなかったとしても、決して自己嫌悪に陥ることなく、自分の自由意志が脳に勝利したのだ、と大いに喜ぶこともできるのである。
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